風俗嬢は社会保険と厚生年金を欲しがるか

情けないが、結構「だらしない人の群れ」っぽいかもなーと思う、周囲の「携帯止まったー。止まってるー」コールであることよ。


もっとも、オレも携帯電話を止めてしまった経験がかつて、ある。
各種公共料金が引き落としに間に合わなくて、もう一度ほとんどの公共料金の引き落とし手続きをやり直した事もある。
でも結局また引き落としにしちゃうあたりが、オレがまともにもなりきれないけど駄目にもなりきれないゆえんなのか。


持続可能な性産業を考える、ってやつなんだけど、全部が全部ではないにしても、そこは切羽詰まっている女子がどかっと集まりがちなところ、という前提が外せない。オレもここんところかろうじて収支とんとんなものの、背水の陣と言えばそうで、いいのかP-FUNKなんか聴いてる場合かー。
ともあれ、働きに出て客につかない限り金の補給がない、っていうこの業界のあたりまえは、給与生活している皆さんの当たり前とはすごく違うんだよな。
オレはサラリーマンの妻をやってた事があるけど、配偶者が会社に行けなくなって月に9万の傷病手当しか支給されなくても、それでも毎月なんらかの金を支給してくれる会社ってすごい、と思ったもので。


いろんなことを考えたけど、この業界のひとつの問題としてあるのが、特に業界の隆盛を担っているはずの若い女子の場合、「ここには長居しない」って思ってるっていうのが、あるよなぁ。
いや、そうできるならそれでいいんだけどね。なかなか、そうならないんだよね。でも、皆そう思ってるんだよねぇ20代が終わる頃あたりまでは確実に。
その「長居しない」って思ってるところが、働き方にも出るわけで。それがまた本人の足を引っ張ってしまったりするのはなんとも。

いろんな理由で背景で経済的に切羽詰まった時、風俗勤めって確かに自助の一手段足り得るんだけど、現実はなかなか自助にならない。
ものすごく一過性の状況で「金が足りない」っていう場合はいいんだけど、構造的にヘルプレス、シェルターレスなところにいる女子の場合は、豊かにもなれず抜けられもせずってやつになっちゃうんだよなぁ。ええこれ他人事じゃないですよオレ自身の話でもありますよ(苦笑)


とにもかくにも、真面目に出勤して客に会わなければ金が来ない。そういう状況で、どこまで計画経済は可能であろうか。
たしかに、計画経済なしとなると、公共料金を引き落としにする事すら難しいんだよね。数ヶ月単位の家賃滞納もザラに聞く話である。いやその前に住所不定状態ってのも珍しくなかったようちの業界…。
そんな状態で厚生年金の掛け金と健康保険料しかも社保、払えますか。って考えると、ああみんな逃げ出すよねぇ、そんなこと言わない地下に潜るよねぇ、となってしまったのだった。
現状、住民税フリーになるのに確定申告だってみんなやりたがってない(店を通じて希望者は出来るのです)のに。


より稼げる条件を求めてめまぐるしく移籍して、しばしば業種もしょっちゅう越境するような女子、出勤日も少ないし店にいる時間も少ない、そして当然稼ぎも「ファミレスで毎日朝から晩まで稼いでいるよりはちょっとまし」くらいの女子にはどう対応するか。パート扱いか。いや、どんなに店にいる時間が長くてもこういう稼ぎになっちゃう女子もいる。
あれこれ考えるに、風俗嬢の皆さんも健康保険と厚生年金に加入できますよと言っても、実質はかなりの数の女子がそこから切り捨てられるだろうし、その前にアングラ売春へ逃げ出しちゃうのが見える。
労災をどう規定するとか真剣に考えれば考えるほど、後頭部から煙が出て来る。ああ、いかん。