わたくしはあなたにできるだけ長くこの世にいてほしい

美しい元同僚さんがいる。
長らく一族郎党と多数の動物を養い(しかもその動物達のことごとくがわけあり。うちにいたとらおさん以上の)、2世帯いやしばしば3世帯の生活費を稼ぎ、自分の手元に残るものはごくわずか、という気の遠くなるような暮しをずっと続けてきた。


彼女を傍若無人と見る人もいる。わたくしとはまた違う感じで、他人に興味が薄い人でいらっしゃるんで。
しかし、わたくしは彼女の「自分の要求を一定レベル以上で満たす自分である事の遂行能力」を信じていて、我が身に照らし合わせたらそれをやり続ける事はたいへんな苦行であると知っていても、そういう彼女が好きなのである。


その元同僚さん、どうも、どうも身体に「わるいもの」ができてしまっているらしく、彼女の抱えるもろもろの事情から、ことにたいへんかわいがって手をかけている動物達の世話を他人任せにできず、なかなか受診されないままでいる。


ご本人にも直接言ったのだが、ええ、わたくし、貴女様には現世がどれだけ苦行を強いる場所であろうと、できるだけできるだけ長く留まっていて欲しゅうございます。
まだまだお若い子達も多く手元にいらっしゃるんですから、いよいよ本当に誰かの手に託すしかなくなるような事態は避けていただたく。


なかなか、ないもんですからねぇ。金銭的虚勢を張り合うんじゃなく、自分のありようについて見栄を張り合える同業者仲間との遭遇って。