これでまた当面ウィンウッドを聴くのだろうよ

エリック・クラプトンスティーヴ・ウィンウッド ライヴ・フロム・マディソン・スクエア・ガーデン cine sound ver.」なるものを観て来た。
もう軽く四半世紀ウィンウッドの音楽を聴き続けているが、残念な事に幾ら何でもトラフィックブラインド・フェイスはリアルタイムで聴けてない。知った時には、もうとっくに過去の栄光ってやつだった。


やはり高橋幸宏愛するデイヴ・メイスンがいた頃の前期トラフィックと、実質ウィンウッドのソロと言うかワンマンバンドの色合いが濃い後期トラフィックどちらが好きかと訊かれたら、微妙に後期。
で、クラプトンにはあまり興味がないのだが、ブライント・フェイスもかなり好きだ。ハイドパークのライブも、「うあーなんで今更…」とか言いつつ買ってしまった。

Mr Fantasy (UK Mono Version)

Mr Fantasy (UK Mono Version)

全体サイケっぽいのが時代性。素晴らしいアルバムだけど、やはり出色はDear Mr.Fantasyでしょうねぇ。
Traffic

Traffic

Pearley Queenは最初聴いた時に「ああ、ウィンウッドこういうのもできるっつうか、方向性としてあるのか!」と驚いたハードロック調。Feelin Alrightひたすら名曲。まだ近年になってもすったもんだしてるっぽいけど、デイヴ・メイスンはこの曲1曲だけで偉い。素晴らしい。いつぞの横浜アリーナでウィンウッドが歌ったのもまた格好良かった。


後期トラフィックは、ジャズっぽい趣さえ見せて、ウィンウッドが好きなセッション色が強くなって、もしかするとよりマニア受けなのかも知れない。

John Barleycorn Must Die

John Barleycorn Must Die

いつ演奏しても、ウィンウッドの気合いが大変なGlad、そしていつまででも演ってくれている。そして、この跳ねるピアノは何度どのバージョン聴いても鳥肌が立つ。
Low Spark of High Heeled Boys

Low Spark of High Heeled Boys

リッキー・リー・ジョーンズが"The Low Spark Of High-Heeled Boys"のカバーやったときは、「まぁ、やっぱり貴女と私はお友達!」くらいの気分になったもんである。前期後期トラフィック通しで一番好きな曲、そして好きなアルバム。
ただ、これ聴く時ってかなりの確率で「精神的地盤沈下の前触れ」から「底付き」までのあたりだったりしてるんだよなぁ。自分にとっては不吉なアルバムになってしまっているが、それでも好きで好きでしょうがない。
おそらく、ほとんどドラッグをやらないで人生のここまでを過ごしているであろうウィンウッドがこういう音を作るのがまた面白い。ええ、これは「そういう」感じのアルバムです。


ところで、ウィンウッドのファンは、彼の日本国内に於けるうすらマイナーさすら愛しているフシがある(笑)
しかし、ファンはやはりファンであるので、仮にも日本全国で上映されるフィルムが「エリック・クラプトンスティーヴ・ウィンウッド」と冠されていると、やはりそこはかとなく寂しい気持ちになるものである。
「ウィンウッドの方がクラプトンよりよっぽど歌が上手いんだぞおいこら!」とか最初はぼやいていても、「そうよね…、クラプトンさん前面に押し出さないとお客がどんだけ来るもんだかただでさえあやしい企画なのに、さらに悲しい事になっちゃうわよね…」とやがては床に座り込んでのの字を描き続けるような自己完結ぶりを持っていてこそ、正しいウィンウッドファンなのではないかと思うのだが。どんなもんだろ。