景気の悪さにはもうとうに飽きているが

飽きても終わらないからなこれ。
月曜の夜、帰り道に仲之町通りを裏から眺めたとき、ついったーでも呟いたけど「この世の終わりみたいな静まり方だな」と思ってしまった。吉原全体がこう静かなんじゃ、暇なのもしょうがない、という現状への納得の仕方もあるんだろうな。
納得しても、食べて行けないのは困るから、「ああ」と思ってそれでおしまい。


例年そうであるように待機していると控え室の雰囲気がピリピリしていて、不安障害持ち、それがつらい。
自分だって余裕がないのは一緒なのだが、んじゃフリー客がとんでもなくついてないのかと問われたらとてもそうは言えずで。なんとなーく小さくなってるしかないから、抗ヒスタミンドーピングもしている事だし、寝逃げしていたり。
恐い顔した女の人達、ホント苦手なんで。同僚さん達もしたくてそんな顔してる訳じゃないけど、抑制されてないものって、オレにはいまだものすごい恐怖。


仕事場は、晩秋に姉妹店からやってきた店長氏が年明け早々大ポカ発覚して解雇され、かれこれ1ヶ月以上そのまま店長不在でまわっている。
店長不在でも現金を扱える格のボーイは複数名いるため、店を開けている事には支障はないのだが。この店について責任を持つ、という人物が不在であるのは、やっぱり何かと難儀だ。お客達にも店の収拾のつかなさが見て取れるらしい。すいませんご迷惑おかけしてます。


当然、そのへんに不安を感じたり、なんせとにかく稼げなかったりするもんで、女子の移動時期にも関わらずちっとも新人さんが定着しない。
少しは控え室のピリピリ感も影響してるんだろうけど、とにもかくにも稼げないってのは困るよな。少なからぬ新人さんは、ただ暮らせるだけの稼ぎがあればいいってもんじゃないんだから。


で、現金を扱える、フロントの椅子に座れる複数名のボーイ氏は当然、店長への昇格を狙ってすったもんだ力比べをやっている。どうやら一番格上という事になるらしいボーイ氏は、ただでさえ皆さんに好感を持たれていないのに、「新人さんが定着しないのは、在籍が長い女の子達の当たりがきついから」というような発言をかまして、ますます総スカン。
責任者面したいなら、ちゃんと全体を統括してやってみ。
そのボーイ氏、何かと要領も間も悪い自分から見てですら、立ち回りの下手さには感心するばかりなのだ。


それでも、今月もすでになんとか家賃と公共料金確保体制には入れたので、「まぁ、来月もなんとかなるだろうというか、なんとかしないと」と呟きつつ、相変わらず移動どうこうは考えないでいる自分である。
「はたして、ここに正義はあるのか。それはどこにあるのか」なんつう厄介な事を繰り返し考えるが、そんなもんはとりあえず、他者に求めてもしょうがない。オレはただひたすらオレが後味悪くならないオレの正義をやっていくだけで。