分からないから、結局のところ関心がないから、たいてい放置してる話

昨夜の「相談」で、新人さんはオレに「私、そんなに嫌われる事しちゃったんでしょうか」と繰り返し尋ねていたが、「それは私に訊かれても、的確には答えられないなー。私もいまだに何をしたら女の人達が怒るのか分かってないもの」とオレは答えた。実際その通りなのだ。


ついったーでぼやいたが、いまだにオレは、女の人の集団に加入するにあたって必要とされるらしいイニシエーションが、分からない。
仕事などは全く違うが、かなり似通ったフィールドに棲息している模様の友人I嬢と本日電話でさらにそのへん、ぼそぼそと話をしていた。
どうもオレ達は、あまりに外側の事に関心が薄いために、皆さんがイニシエーションを受けさせられている間、自分たちが本来はそれを通過する時期にある事にも気付かないままだったんじゃないか、という話になった。


で、彼女もオレも、それぞれの生活の中で、女性集団に混ざる機会があると、皆さんにとっては暗黙の了解時効になっているNGワードをうかうかと発してしまったり、うかうかと禁止事項をやらかしてしまったりする。
なんせ、元来「基本は草原でひとりぼーっと暮らしていて、たまさか用事があると村にやって来る」ようなオレやらI嬢である。時折村に来て女性集団の中に入るとそりゃもう居心地の悪い思いはするし、「こういう暗黙の了解をちゃんと学ぶ機会があればこういう時に楽だったんだろうなー」とは思うのだが。


ひどい喩えをすれば、皆さんが「これを乗り越えておけば貴女達は幸せになれるんですよ」と誰かに言われて、ぞろぞろと連れて行かれて性器縫合や切除をされている間、オレやI嬢は、それぞれ、ひとり草原の真ん中で肉食獣に喰われる危険も織り込み済みながら「ぼーっ」としていて、次に村に帰った時はどういうわけだか、すでに処女じゃなかったんだよな。
そんな感じで、完璧に通過儀礼のやり時を逃したと。


好むと好まざるに関わらず、草原でひとりぼーっとして暮らしてしまうオレ達には、女性の多くがしばしばそれで人殺しをしてしまったり、自殺してしまったりまでする、「同性の集団から承認されなければ」という気持ちの事は、きっとよくわかってない。
村でいろんな暗黙ルールに縛られたり縛ったりしている女性達の事を見ると、「ああいう風でいられた方が良かったんだろうなー…」とは思ったりするのだけど、ああいう風になる方法が分からないのだから、こりゃもうしょうがない。