再発は喜ばしいがきつい。ホントきつい

三十代半ばにして、聴く音楽が基本的にオンリー・イエスタディ状態。
そんなオレにさらに昔に引きこもれと言わんばかりの再発CDやら、素敵な編集盤やらが出続けていて、もう新しい音楽なんて追えない。いや追わなくてもいい。
…しかし、そいつらさえちっとも買えない。

今日はスガシカオのにっちもさっちも行かない曲ばかり聴いていたら、頭がどっかでキックターンでもして来たらしくて、RCサクセションが聴きたくてしょうがなくなった。
そういや、彼らもせめてこのへんだけは買いたい、ああ買いたいと言ってるうちにもうリリースから２年が経過してしまう。

THE RC SUCCESSION BEST ALBUM WONDERFUL DAYS 1970-80

GREATFUL DAYS

RCの曲を思い出して口ずさんだりつま弾いたりしていると、まだあの頃に流れていた曲はそんなに身も蓋もなく無惨じゃなかったんだなぁ、それはオレがまだ幼くてそういうものにしか触れてなかったからだろうか、いややっぱり世の中に流通してるもの全般、今ほど無惨じゃなかったよなぁと思いを致してみたり。
ところでRCサクセションのバラードでは、オレは「スローバラード」よりも僅差で、ホントに僅差で「多摩蘭坂」の方が好きなのだが、他にもそういう人はいるのだろうか。

かたやスガシカオ。
息子に「『サナギ』のお前が持ってる全部のバージョン貸してくれ」と言ったら、ごく微かに嫌な顔をされた（笑）
いやー、なんか今週は「ケロイドが痒い週間」なもんでさぁ。勘弁しておいてくれよ、はっはっは。

奇跡/夏陰/サナギ (初回生産限定盤DVD付)

「サナギ」、現時点でスガシカオ最大の問題作だなぁ。
「私のことを馬鹿だと　はじめから思っていたくせに…」
ってなぁ。これ、よくぞ女言葉で歌ったねぇシカオ。

これ、「しまった、相手にこれを気付かせた」って瞬間が実際にあったって、出せないわな、表現として。フィクションとしてなら、さらに「よくぞ、女側が年中受けるこの気分を言葉にしちゃいました」だな。
男の側からすると、ずっと「斜陽」の歌詞みたいなぐだぐだを言い続けるだけで終わるわけだ。相手の女を「馬鹿だと、はじめから思っていた」ところについては。
そこんところで、確かにスガシカオは凄い。