その感覚は永遠に「わからない」んだろうな

同僚さん達がよく、ピルで生理を引き延ばしていると「つらい」というのだが、何もせず放っておくと本来の月経ってものが前回のそれから2ヶ月に来るのか3ヶ月後に来るのか半年後なのかさっぱりわからない「稀発月経」という状態であるオレには、それがどういう感覚なのか分からない。


で、ピルも服用当初は律儀に毎月、「消退出血」と呼ばれるところのピル生理、つまりニセ月経を起こしていたのだが、いちおう子宮内膜症子宮筋腫と患って来た身体で、毎月月経を起こすとあっけなく貧血は起こすし、内膜症だ筋腫だの進行もいまいち阻止できてない様子だったので、だいたいワンシーズンに1度程度だけピル生理を起こす事にした。


…待てよ。体調が落ち着いて来たのって今考えたら、このワンシーズン1度程度のピル生理にしてからじゃないのか?


多分、どうも「月経」とか「女性ホルモン」と折り合いの悪い身体なんだろうと思う。
ピルで生理を引き延ばしても引き延ばさなくても不正出血が起きるときは起きるし、その不正出血が増減しながら3ヶ月以上続いたとか、どわっと大出血して病院に行ってみたら今度は子宮内膜増殖症とかいう新手が出現したりとか、いまだ婦人科系トラブルや疾患には事欠かない。卵巣と子宮そっくり摘出するまで内膜症にも筋腫にも完治はないし。


漢方の見立てでも、オレの身体は「過剰」と「停滞」を抱え込みやすいんだそうだ。お血(おけつ、と読む。駄目だ「お」の字が化けるのでひらがな)体質とか言うそうで。
が、食生活の賜物なのかなんなのか、こういう体質だしベーチェット病ってところからも血液もっとドロドロのはずなのに、血はサラサラと流れてんだよなぁ…。


正直、月に一度程度の月経の出血が身体の中のあれこれをクリーニングしてくれるという漢方の言説に付いて、オレはあんまり信じてないと言うか、どうも信じられない。
だってねぇ、むしろ月に1度なんて頻繁にピル生理起こしてると、ピルは中用量だろうが低用量だろうが3相性飲もうが1相性飲もうが具合悪くなるばっかりだったんだもん。止めてるぶんには、そのへんの不都合はたまにだから許容できるけど。
毎月の出血はむしろ自分から何か力を奪う。そこいらへんでたまに、「ああ、オレそも女やってくのに何か不適応が根本のところであるんじゃないのかな」と思ってみたりする。


ともあれ、年末年始以来の久々の生理休暇である。やたら眠れてしまう。
昨夜も春休みの子供達が「すべらない話」を大笑いしつつ見ている気配を感じつつさっさと沈没していた。
STI検査の結果は今月も異常なし。検査でクスコが入ったりちょっと大きい客や乱暴な客相手に仕事すると出血する状態はここしばらく続いてるんだけど、それは何かに感染してなくても身体のあちこちが炎症を起こしたがってる体質なんだから、しょうがない。


そういえば、オレは病気療養休暇でやむなくそれをする羽目になったことはあるけど、「ピル抜き」の必然も感じた事がないのだった。
中用量ピルを服用していた期間があまり長くなくて、低用量ピルの解禁以来ほとんど低用量だけしか服用してないし、もともとの不都合やらかつて治療で飲んだダナゾールの副作用と比較をしてしまったりで。
「…別にこれってそんな不都合もないよなぁ。だいたい23時間で体内から作用が消えちゃうって話なんだから、もとより残るもんもないだろう」ってなもんで。
処方される薬を必要最低限に整頓してから、肝機能検査もずっと問題なしで来られてるしな。


もしかすると、もしかするとだが、しばしば「痛み」という状態に対して思う事でもあるんだけど、オレはかなり「鈍い」のかも知れない。忍耐強い、と言うより。
だいたい、オレが「これはもう我慢の限界」となって第三者、だいたいは医療機関に痛みを訴えると、それは入院沙汰あるいはその一歩手前という不味い状態なのだよな。あ、皆さんそもここまでひ弱にできてないかも…。
「これはヤバい」と思うポイントは外さないらしいんだけど。


もともとの婦人科機能がオレよりかなり健全にできてる同僚さん達は、そこいらへんの感覚がまともで「ピルで自分本来の周期を越えて生理を引き延ばすのがつらい」と感じられるのかも知れない。で、オレは元来どうもそこいらへん、鈍いのかも。
ここいらへんからも、オレは何か同性であるはずの皆様に対して自分があらかじめ外側にいるような気分になってしまうのだった。