君ならどっちを選ぶ

本指名を多く取れる風俗嬢は、どうしても燃え尽きる。
ちょっと前も在籍店舗でだんとつの本指名獲得率の某嬢が燃え尽き休暇を取っていたが、さもありなん。

この業界も、仕事がまだ仕事の正味だけで済むならいいんだけど「基本的に営業らしい営業はしない」自分ですら、ある程度の本指名の客とはメールのやり取りをしていて、残念な事に彼らからのラブレターはオレを侵害感でいっぱいにするのだった。しかしそれに返信せねばならない。何書いていいのか、毎度さっぱりわからんのに。っていうか、期待されてる内容は分かってるんだけど、それを書くのは苦痛だし、何より、危険なんだよ自分の身がさ。（客に気を持たせすぎる危険は今更言うまでもなかろうよ）

店だけで接していれば好きでも嫌いでもないか、むしろ好意的であったりする相手達なのだが。なんでこうも「ラブレター」をもらった途端「うえっ」となるのかねぇ自分。これが、女子は皆さんそうみたいで。
こういう仕事の正味ではないところでの消耗が蓄積ダメージとなって燃え尽きてしまう女子も多くいる。

最近は客からの「ラブレター」を見て、「たぶん君たちはそうひどく悪くはないんだろうなぁ。しかしねぇ」と静かに煮詰まってみたり。
ここんところはいっそ、彼らを徹底的に「人格のない金」と見れば少し楽になれそうな気がするのだが、そこいらへんがオレの中途半端なところですね。
そりゃ、複数の相手とつきあって（それを複数の相手に平然と告知した上で）、複数に好きと言っていただけていた時期などもありましたが。それは、オレもその時相手達をちゃんと好きだったから、苦痛ではなかったんだよなぁ。
あれ思い出せばなんてこたない事態だろう自分、と思うんだけどねぇ。

ところでオレは「指名だけでやっとられっか」なので、店が本指名の数だけではなく、フリーをあてがうについては「仕事をきちんとこなす」「規定の出勤日は余程の事でもなければとにかく出勤する」というところで女子を評価し推すところがあるのは身に沁みるところなので、営業よりも「とにかく出勤して指名フリー関係なくきっちり仕事をする」事を重視している。
出番が少なめでもきっちり本指名客をコントロールできる女子はそれがあだになってフリーとの遭遇率が極端に少なくなり、結果「指名を取っているのにフリーをあてがってもらえない」という問題に遭遇するのだ。
このへんタイミングの問題なんだけど、オレの本指名客は多くが「当日空いた時間に店に電話してきて遊びに来る」たちで、「絶対に朝一番に入る！」とかいうこだわりを持つ人は少ないようなので、皆さんが朝一番の指名で埋まっている時にオレがフリー客をいただいてしまうという気まずい状態がしばしばあるのだった。

しかし、どういう風に稼ぐかって、難しいねぇ…。
全部を真面目にやるってのは、どんな健康な人でも無理だし。