日本で売春を語れる日ってのは永遠に来ない気がするな

まぁ、この兄さん(id:aestacao_do_man)は「すべての労働は基本的に報われない」ということは先刻ご承知であろうから、「売春婦を勝手に不幸だと断定するなー! 個人の幸・不幸は他人が断定するこっちゃないぞー!」などとは叫ばない(笑)

アジアだよアジア、やれやれ」ってのは本当にそう思うな。日本は嬢の体や労働条件をザックリと語れるような世の中になるのに、あと100年はかかるな。「純潔教育」とか言いながら、そっから切り離された人生は存在しないみたいな認識になっていくのが、我らがジャポン。なんとか出来ないのかよ、と再度id:macskaさんのコレを引きつつ思う。やっぱ保守政権はダメだ。マジで買春できなくなったら俺も困るので、持続可能な風俗を目指して欲しい(←なんだかネタみたいだな、コレ、ネタだな、なんか格好悪いw)。
で、個々の女子の事情だが、まあ、外で接触したりするとちょいと垣間見たり、そんで途方に暮れたりすることはあるな。さすがに一緒に暮らしたことはないが、一緒に暮らした奴がブレイクダウンした例は知っている。で、俺たちはそういう不幸な女たち(アブラムシ)から、ささやかな幸せをもらって生きているアリンコである。合掌。

本当にそうなのかどうかはあやしいところだけど「人類最初の職業」などと言われるオレの職業は、そんなことを言われるだけあって、「どれほどの報酬をもらっても決して報われないサービス提供」というひとつの労働の不毛をよくよく体現しておるよなぁ、などとはしょっちゅう思う。
で、この不毛と不条理を「あたかもすでに後発の職業ではすっかり解消されていて、いまだここだけが不条理の中に取り残されている」かのように糾弾されてしまうのが、この職業が置かれた環境がより厄介な事になっているところだったりして。これ、なんでそうなるのか本当に不思議でしょうがないんだけどねオレ。
たぶん、この不思議が知りたくてこの仕事を続けてるってのも「職業選択の理由」ってものがあるならそのひとつなんだけど、現場に入ったらますます、わからなくなってしまった。


オレの嫌いな、でも世間の皆さんは大好きらしい百均ショップにたまに足を踏み入れて商品を見て「これらの商品を製造してここに卸してるところがまともにペイしてるとは思えないんだがなぁ…」などとオレはよく思案してしまう。
しかし大半の売春婦は、どれだけ自分の労働が報われていないと思っていても、よそではそんなことは考えないものらしい。自分がサービスの受け手になる場面では。
そのように、オレ等はあれこれ場面を変えて相互にアリンコになりアブラムシとなって生きて行っていることに(これって何かのプレイみたいだな)、オレは時々不意にとてつもなく疲れてみたり悲しくなってみたり逃げ出してみたくなったりするのだが、逃げ出すのは難しいようだし、逃げ出したところでそれらは相変わらずこの世にあるのだから、まったくそのことを考えないでいられるもんでもなかろう。
かくして、オレもアブラムシとなりアリンコとなり暮らしているのであった。


ああ、「持続可能な売春制度」ってのはオレも考えてしまうなぁ。
年がら年中考えてしまうなぁ。
正確には、売春が根絶される事は不可能だけど、「現場で働く女子があまりに過大過剰なリスクに晒される事なく、そのとばっちりを客が受けない売春制度」ってのは、実現可能なんだろうかと。
たとえばドイツだと売春婦もきちんと税金が払えたり、子供がいる売春婦は自分の生活エリアではないところに「仕事」用のアパートを借りられるなんて話を聞いた事があるんだけど、そういうところではもうなんとか「持続可能な売春」ってのはできあがってるのかどうか。
まぁドイツ方式はそれがどれだけ制度としてよろしくても、男子総ロリコンと言ってよろしい、「美人」よりも「可愛い」が圧倒的に強いこの日本ではなんか成り立たない気がするんだけど。