以前なら多分、出勤は出来なかっただろう

ああ、オレ精神的には図太くなったかなにか焼き切れたかしたんだな、と昨日一昨日あたりに気が付いた。


「子宮内膜増殖症」で、週明けまでに出血が止まらなかったら掻爬手術になるわけだが、そしてオレはまったく自慢できない事に、流産中絶どちらも複数回とりまぜて過去5回の掻爬手術経験があるのだが(どこの中絶大国ロシア人なんだ自分)、ゆえに掻爬手術自体には恐怖はないし、何より今回他の生命の死が絡んでない事にとても安堵しているのだが。
しかし、過去の経験からして「掻爬手術」そのものはオレにとってとてもトラウマを喚起するものなのである。
(ちなみに、流産を除く掻爬手術はいずれもコンドームあるいはピル避妊が失敗して受けるに至った。特に最後の中絶は大腸潰瘍の現時点では最後のズタボロ悪化によりピルが完全に吸収されず事故的に。身体によってはピルだってまったくあやふやな避妊方法にしかなりませんよというしょうもない証明…)


なのに、とりあえずそれらの過去を冷静に思い出しはするけど、フラッシュバックは起きていない。で、ああこれはいよいよ出血が止まらなくて手術するっていう土壇場になってもこのまま起きないでいるな、という変な確信もある。
今回の件では、もう子宮筋腫が悪化したりして子宮を取る事になっても構わないと思ってるんだな自分、というのも分かったりした。
ああ、オレはもうこれ以上子供を得る事は本当にあきらめたし、絶望したのか。
いや、結構な事だろうよこれは。


ところで余談として。
ソープランド高級店店長氏の語った話。
彼は吉原でソープランド店長をしていた3年のあいだに軽く20枚は中絶同意書を買いたそうだ。これは、彼が勤務していた店の女子のために書いたものもそうでないものもあるとのこと。
ピルを飲んでいようがいまいが、コンドームを付けようが付けまいが、女の身体は基本的に妊娠するようにできている、という至って当たり前の事実がここにある。


それぞれの女子は悲しみを背負ったり背負わなかったりしただろうが、そのどちらを選んだっていいだろうとオレは思うし、そんなことがあるから売春はあってはならない、とは思わない。こんなもんはささいなエピソードになるしかないくらい、自己責任でもそうでないものによるものでも、またこの国の売春の現場には洒落にならない背景を抱えた女子がどっちゃりといる。
お奇麗な人道的なものの見方がなんらその事情を救う事は、ない。客どもはそんな個々の女子の事情は知る事はないだろうし、知る事がないからこそ買春できるんであって、そうでないと結局売春婦は困る(苦笑)
女子は自己責任なんてもんを背負う事ができる以前の問題にとどめられている、自分の身体の決定権とやらも上っ面はともかく、まだまったく自己の手元にない。結局そういう国なんだぜここだって。アジアだよアジア。やれやれ。
それがこの社会にどうにかできたなら、「売春はなくすべきだ」と言う奴がいても「まぁそういう奴もいるだろうな」と思ってやってもいい。