飯島愛が亡くなった

自分は特に思い入れのあったタレントさんではないのだが、仕事場に行くと、少なからぬ同僚さん達が彼女に何かしらの投影をしていたり肩入れしていたのだなぁ、というのが感じられた。


周囲の人々からのインタビューには「まともな人だった」やら「頭の良い人だった」とのコメントが散見され、オレは「んー…」と首を掻いてしまった。
あれだ。それ全部、「ああいう武勇伝があって、ああいう業界上がりにしちゃ」っていう括弧付きだよねぇ。
そのへんを関係者が顧みる事なく言っちゃうあたりに、セックス産業にいたとか現役でいる人間がどうしようもなく背負わされるスティグマってものが見えるよねぇ。


故・ナンシー関江角マキコを評して「自然体という不自然」という素晴らしいフレーズを発していた事があったけど、江角マキコが自ら演出したそれとは違って、「求められるゆえにサービスで」自然体という不自然をやっているのが飯島愛かな、などと、彼女の生前、仕事場でサンジャポなどを見ながら感じた事がある。
それをやっちゃうと、本来まともならまともなほど壊れてしまって当然なのだが。なるほど、悲しい事に、確かに彼女はまともな人だったのだろう。


現時点で自殺か病死あるいは事故死かははっきりしていないそうだが、たいていの早世してしまう人には、なんかしらの、もはや生きていられない背景がある。
それを世間だけが作ったとは思わないが、彼女が世間から無神経な消費のされ方をしていたのは間違いないし、「まともで頭が良い人」ゆえに、世間が求めるようにそれをさせちゃったのだろうな。
サービス精神ってのは、ホントに神様に捧げてのものでもない限り、幸せとか平穏と対極のとこに行き着いちゃう、恐ろしくて悲しいものなんだよ。