個人的にきつかった2つの土地の名前

ご存知の方はご存知の通り、オレはかつて裾野市で暮らしていた。
そこで結婚生活が破綻して、27才になろうとする頃、子供2人を連れて今暮らしている土地に逃げて来たのである。


で、秋葉原の通り魔事件が起きた。
さらにご存知の方はご存知の通り、かつてのオレのつれあいは、秋葉原が大好きな人であった。無線やってたんだよね。しかも傍受専門。
オレが彼と別居した理由は幾つもあるんだけど、自宅のベランダに出て、社宅で暮らす皆様のコードレス電話の通話内容を「盗聴」してる人間が夫って言うのは、やっぱり、ぞっとしない。
本人は「傍受だ」って言い張ってたけど、そりゃあからさまに盗聴だろ。


ラジオライフ読もうがアクションバンド読もうがそれはいいけど、オレは正統派の誠文堂新光社キッズでね、許せなかったんだよそういうのを実際にやって開き直ってるのもさ。いくら精神的に病んでる人間であっても。
それで、オレに向かって「常識的じゃない」って言われてもさ。
常識から逸脱すれば楽になると思ってオレと結婚したのが見え見えのお前が、オレにそれを言うのかと。んじゃオレ用済みだろうから、さようならね、だったのだ。
(オレの方は、とっくにつれあいに対して用済みになってたんだろうなぁ…。)


通り魔事件の犯人が派遣労働者として勤めていた工場は、オレに取っては「かつての住まいの裏の林を抜けたところにある工場」で、テレビに映ったその工場の様子は11年の時を経てもまったく変わっておらず、オレはおおいにフラッシュバックに苦しめられている。これ現在形。
当時は今ほど派遣で工場勤務っていうのはなかったはずだけど、それでも、地元の新聞折り込み広告にはしょっちゅう「トヨタ期間工募集」ってのが入っていて、なんせかつての住まいの目と鼻の先だから、あの仕事場で働いてた若いおにいちゃん達の醸し出していた雰囲気って、肌で感じてたんだよね。
あの工場の真向かいのセブンイレブンの明確にガレた雰囲気とか、いろいろ。


10代の頃に読んだ「自動車絶望工場」の内容なんかを、そこにいる間何度も思い出していたりもした。
それでも、関東自動車工業期間工じゃない正社員にはちゃんと社宅が用意されていて、社宅の中にはスーパーマーケットもあったりして、そこはこちらの社宅の中のスーパーよりも品揃えが良かったもんだから、よく使ってたっけ。


なんつうか、今回の事件から受けた衝撃と、個人的な記憶のフラッシュバックがいっぺんに来てしまって、表面割と何とかなってるんだけど、内部はかなりひどいあんばいになってる。
今日なぜか東欧から帰って来た母は帰宅するなり電話して来て、オレがあのニュースに接したらどうなるかたいへんよく分かっていて「あの一連の報道からは逃げろ」と言ってくれたんだけど、家にずっといるんならいざ知らず、仕事場で待機してる限りテレビから逃げられないもんで、そりゃもうしばらくまともに受けて立つしかないんですよ。
なにやら、結婚している間の配偶者と良く似た事をぐだぐだ言ってたらしい犯人の報道をさ。