ニーズはあるのだよね

対面した相手、こと客相手には「エイジレス」であることを成功させつつあるらしい最近であるが。まぁ、オレは売り物としてはもう確実に若くはない。
オレはひたすらずっとどうしようもなく子供じみたところを抱えているので、若いというよりいまだ「幼い」んだけどね。


にしても。継続的にぶら下げているもの、たとえばオレの場合それは子供達であるけど、そういうものがなければ、風俗というのは若いうちにできるだけ派手にがーっと稼いで、まだ若いと言えるうちにやめていくのが「美しい」のであろうな。
けど、短期間で派手に稼げる子というのはものすごく少数で、なおかつそれをきっちり自分ののちのちのためにとっておける女子はもっと少ないのだというのも、この10年でよく分かった事だ。
オレももちろんそうはなれなかったクチで。


しかし、長年やっていれば長年やっていたなりに、それこそ、しょっちゅう店を変えて季節労働者的に気が向いたときいよいよ金が尽きてしまった時にだけ働くというようなやり方をしたりしていなければ、そんなに華がない女子でもポジションの一つも獲得できるのは普通の仕事も風俗も同じで。


「ああ、ここでまたものすごく稼げはしないけど、安定した収入は得る事が出来るようになったりしちゃうから、風俗女子はやめどきを見極めるのが難しいのか」と先日帰宅途中にふっと思って、なにやら無性に可笑しかった。
風俗で「手堅い働き手」ってどんなんだよホント、とも思いながら。


まぁ、いろいろあったしいろいろあるが、もう私的なところでは結構ですとすら思っているが、それでもオレはセックスというものをまだ憎悪はしていない。
いや、指名が多く欲しいなら、むしろ徹底して憎悪した方がいいんだけどね。男とセックスはとことん憎悪して馬鹿にした方が仕事で数字は出せるんだけど、多分オレはそのとことんの境地には行かないというか、行けないんだろうな。
この適当な緩さが好きだと言ってくれるお客達もいるしな。


それなりに長い間働いて来たオレゆえに、若くないゆえにいられる、必要とされるポジションっていうのがこの業界には確実にあるんだねぇ。
もっとも、自分が貯めてる金じゃないものが不意に1千万も入ったら、しばらく修行して別の仕事始めちゃうだろうけど。
これがまた、そっちもそっちで身体酷使する仕事なんだよなぁ…。