夕方には帰って来るあたりがかつての母親とは大違い

で、正味がきっつい仕事を4本分(ダブルがあったんで)こなした昨日月曜の夜、遅くによれよれしながら帰宅すると、娘さんはオフ会のために用意していた費用がかなり余ったとかで、パティスリーキハチの桃のロールケーキを自腹購入してくれていたのであった。我が子ながら、もう泣けるほどいい子や。
「あー、でも、自分1人だけでクィーンアリスのソフトクリーム食べて来たよ」
そんなのどうってこたない。おまけにそっちも自腹だろう。


2年くらい前は特に息子とすったもんだ衝突する事が多かったが*1、娘さんは多分その個性でもハンデでもあるところゆえに*2、多分いわゆる思春期らしい親への葛藤や衝突は起きないままなのであろう。
もっとも、そんなすったもんだイベントの必要がないくらい、娘さんの自我は生まれつきはっきりしているというか、あらかじめ「ひとりで在る事」が確立されちゃってんだよな。


荒れていたというかご乱行三昧であった自分の十代を思い出すに、我が子達が2人とも素行が荒れないまま十代も中盤だの後半を迎えてしまったのは、正直、わけがわからない。
まーもっとも、手前味噌なるが「荒れるような育て方はしてないでしょう」と長年の友人達に言ってもらえる通りではあろう。
オレは子供が育てられれば、一緒に暮らすという事がまっとうできれば、かなりいろんなことがどうだって良かったのだ。だからってそのために結婚したらその結婚というチョイスと相手が大間違いであったというのは、若さ故というかバカさ故のご愛嬌だが。


オレは自分が子供と暮らす事をまっとうさせてくれない配偶者を、いとも簡単に放り出した。
何度も繰り返し考えるが、やはりオレにとっての結婚とは「子供と引き離されないで住むための制度でありツール」でしかなかったのだ。それがそのように機能しないなら、オレはそんなもんはいらないと思ってしまう人間であるのだ。*3


しかし、そう遠くなく子育ても終わる。
娘さんの高校受験が終わると、いよいよ先が見えて来るだろう。
娘さんが高校を卒業する頃満期を迎える養老保険は、できればオレ自身のために使うべきなのだろう。彼らに「お前等のためにだけ働いてたんじゃねぇよ」と来るべき時に言うためにも。だからオレはもうちょっと稼ぎ続ける。


しかし、返済不要の奨学金制度がろくにないこの日本で、それを使うにしたって特待生制度を利用するにしたって、先年3年半に渡り授業料半額のために頑張り続けて大学を卒業した義姉の様子を見るに、どっちも我が子に使わせるのは御免だってぇ制度だな。清貧とそれで持ちこたえる努力なんて、実質なんのいいこともないもんな。何もしてくれない世間からの賞賛くらいだろ、もらえんのは。


もっとも、自分の興味の対象にしか集中力と根気を発揮できないうちの娘さんには、そもオールAを取ってこいの要求はどだい無理な話だ。で、オレは彼女に無理をさせるような要求はしないと、ここ6年決めている。
かつて、オレは世間が要求する無茶から娘を守れなくて失敗した。あんなアホな事は2度とやらない。
息子はわからんが、娘さんは多分間違いなく大学までは行くのだろう。しかも、理系女というものになるのであろう。彼女にはそのコースが一番向いている。

*1:最大二晩の家出とかあったが、これくらいやってくれないと基本的に母親ぺったりタイプの男なので、むしろいよいよオレが気持ち悪がって必要以上に突き放しにかかったものと思われる

*2:うちの娘さんは自閉スペクトラムの人。軽度ながら、脳波も一般的なものではなかったりする。注意欠陥で、いわゆるLD。書字障害持ち。ディスグラフィアと言うんだそうな

*3:最初からオレしか子供の存在を望まずともに暮らす事を望んでなかったんだから、オレにどうしようもなく付属して来るオプションとしてしか子供を見られなかった、あるいは自分が家族をやっているという「形」としてしか子供を扱えなかった配偶者どのは、オレが放り出したら子供達も放り出すわなぁ…。彼がもう一度、今度はただの形としてではなく家族をやれるような相手に遭遇できる事はこちらの願いであるが、それはオレではなかった