Gimme Some Lovin'で半日暮らす

Steve WinwoodがThe Spencer Davis Groupで作った名曲"Gimme Some Lovin"は一体どれくらいカヴァーされているのかと、US版とUK版と本家Traffic版と再結成Traffic版をたてつづけに聴くという暇な事をやっている時に考えた。


まーとりあえずアマゾンでやったら気が遠くなるし試聴できないのも多いから、iTS行って検索してみっか、と。
すると、もちろん最も人気があるのはSpencer Davis Groupの編集盤あるいはWinwoodのキャリアをまとめた編集盤に収録されているものなんだけど、有名どころのSam & DaveやBlues Brothersのサントラ収録カヴァーも含めて出て来る出て来る。
本家を含めたアーティスト被りもかなりあるけど、ゆうに50曲を越える"Gimme Some Lovin"が。
それだけ名曲ってことでありましょうけど、ここまでとはなぁ。そういえばかのQueenも、ウェンブリーでのライヴでこれやってたなぁとか今更思い出してみたり。


Winwood本人もいまだかなりの確率でライヴでやってくれて、特にシメに持って来てくれる事が多いこの名曲であるが。(御大は今アメリカツアー中ですな。お疲れ様です)
Spencer Davis Group原型とも言えるUK版よりも、ブレイクしてからのUS版の方がパーカッションやコーラスが加わってより抜け感の強い格好良さがある。
やっばりコーラスがちょっと遅れて「ぎみぎみさむらーびん」と来ないとなぁ。

Best of Spencer Davis

Best of Spencer Davis

(US版が収録されている盤はこれ)
カヴァーを一通り試聴してみると、Winwoodによる有名すぎるリフは本家のハモンドオルガンをホーンに置き換えてるところも多いな。この曲の要である「抜け感」を大事にするならそうなるか。


で、ふと思い立って、あれこれ「名曲」と言われる曲をiTSで検索しまくってみたら、"Betcha By Golly,Wow"とか(殿下のカヴァー版のカラオケもあったのには笑った)"Time After Time"とか、なんつうか、えらいことになってますな。


で、結論として思ったのは「あれか。特にバラードの名曲カヴァーというのはAORの牙城か」と。よかったよWinwoodの名曲はノリが良くてまだ。
AOR、ああ日本で呼ばれるところのそれはムード歌謡にも似た辛さを含む響き。シングルカットからのヒットなんかもう狙ってない大人のためのロック。って言うけど、好きなアーティストがこのジャンルに括られたら泣きそう。(勝林御大もヴァージン在籍時はすごく危なかった。っていうか、足突っ込んでたよ…)


もともと素晴らしい楽曲をそこそこ上手い人がカヴァーしてみたのに何かがどうも。それがAORの運命、みたいな。チャートの存在とは関係なく、何かがすっかり終わってしまっているジャンル。そこに名曲が引きずり込まれると陳腐化が始まる、みたいな。気が付けば大きなホテルのロビーで毒抜かれまくってアレンジされてピアノで弾かれてる、流れてる、みたいな悲しい消費のされ方が。
"Time After Time"の検索結果を試聴していて、ちょっとダメージを負ってしまった。