指名振り替え問題というのがある

オレの守備範囲は基本的には「ヲタクとエンジニアとプログラマーと(この3つを1人で併せ持ってる客も何人か(笑))、インテリおじさんとインテリじいちゃん」で、要は、オレは仕事上のキャラクターというものをあんまり作れない。これって、そのまんま「今まで好かれてきたノンケ男子の層」そのまんまだし。
まぁ、この決定的な不器用さが自分の場合はこの仕事をしている理由そのものかも。


で、その枠には入らないお客というのはオレはあんまり自分に定着しないお客だなと勝手に思ってしまうんだけど、定着してくれるお客も出たりする。
そういう「わかりやすくインテリではないが結構蘊蓄はあるおとっつぁん」なお客が先日、「こないだ店に来たら振り返られた」と言った。
んー。たしかにその日オレは店にいましたねぇ。結構暇でしたねぇ。


しかし、一番怒られも誉められもしないポジションとはいえ、オレみたいにそんなにたくさん指名取らない人間からも振り替えってのをやるんなら、そりゃあ本指名たくさん持ってる娘さん達に姐さん達はもっとひどくやられてるんだろうな、そりゃ、怒るよな。
で、自分。それなりに稼がないと困る事情もあるというのに、この奇妙なまでの腹の立たなさはなんじゃね、とも思った。


そのお客は嫌いな人ではないし、来てくれてもうんざりというわけでもないのに、こんなもんなのだ。
ああ、オレって指名をたくさん取るにあたって必要な物の幾つかが決定的に欠落してるんだろうな。
あと、店っていうものをオレははなから信用してないのだ。それも困ったもんだが、ひとつとして信頼するに足る部分はないのだなとちょっと表から引いて裏方を手伝った時期に感じ入って、そこからもうずっと、入店してからこっち、店、フロント側っていうものに期待も信頼もしてないんだな。
かといって疑心暗鬼ってわけでもなく、からっと諦めてる。「だって店ってどこだってそういうもんでしょ」と。


こりゃ、怒る女子よりタチが悪いなぁ。


とりあえず、何度か裏を返してくれてる客には最近「んじゃ直接連絡くれればこっちから店に予約いれますよ」とメールアドレスなり携帯の番号なり教えはしてるんだけど、その程度には自衛もするんだけど。
もともとロクに営業しないから「これくらいの手間は惜しんだらいかんのだろうな本当は」と思う反面、なんかもう、オレに関してはそういうことやりたきゃ好きにしてちょうだいな気分で。


なるほど、一軒の店に長居もするわなぁ。
あらかじめからからに絶望してたのかオレ。どこに行っても変わらないなら、そりゃどこにも行かないよな。


(補遺・絶望してんのは「店は自分に裏を返してくれたがっている客を当たり前に引き合わせてくれる」という点についてで、自分たちを店が人間としてではなく商品なら商品として見ていてくれて結構、なのだが、その商品を店がわざわざ損なうような真似をすればいまだに腹を立てはする。そりゃ、大半の客のニーズに合わせれば女子は使い捨てにせざるを得ないだろうけど、せめてリユース可能な程度の消耗にさせとくれ。環境にも優しくない(苦笑))