今も変わらず「送り出し」はこの曲を希望

旧友M君と電話していて、以前やっていた掲示板で書いた「自分の葬式で出棺時に流して欲しい曲」の話を蒸し返されて、「あれ、未来世紀ブラジルのせい?」と訊かれた。
オレはかつて自分がやっていた掲示板で、自分の出棺に際してはサンバの「ブラジル」を流して欲しいと書いたのであった。
できるだけ、そのまんまサンバで。最近CMで流されてる「ブラジル」みたいに変なアレンジがされてないやつ。エドムンド・ロス楽団のかザビア・クガート楽団のがいいかな、と思っている。ああ、どっち使うかそのうち決めようと思って、まだ決めてない。


それは考えなかったなぁ。未来世紀ブラジル。…そりゃまた。
いや確かにオレかなり厭世的なところはあるから、あの映画のラストに自分の人生をなぞらえて、「ようやく長い悪夢が終わりましたとさ」って趣向で自分を終わらせるような真似しそうに見えるのかもな。
いやしかし、そう言われると「ああ、そういう趣向だと解釈されてもいいかもしんない」と思ってしまった。
ま、できれば、生きてる最中の悪夢のような現実のまっただ中で、逃避の美しくスペクタクルな夢なぞ見ながらこれをうっかり口ずさんでしまわないようにしたいもので。


オレと折り合いの悪かった父はラテン音楽が好きで、独学のギターやエレクトーンでサンバやボサノバのスタンダードをよく弾いていた。
マッスル・ショールズのリズムなんかが大好きな自分には結局どうしようもなく父のDNAが入っているんだろう。自分の人生の去り際に何を流してもらうかを考えた時、えらくするっと出て来たんだよな、「ブラジル」が。
自分の通夜とか葬儀中は、故人(自分)の趣味と会場のありがちな雰囲気ってもんが合致しないからなぁ。無駄に壮大か無駄に湿っぽくなる曲かの二択っぽいしなぁ。子供達に一任しよう。


父の葬儀の時はやはり彼が好きだったフォスターやイングランドだのスコットランドだのの民謡なんか流していて、それがまた変に葬式にあってたんだよな。「夢路より」、「静かに眠れる麗しの君」、「マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム」、「埴生の宿」、「アニー・ローリー」、憶えてるのはこのへん。
父はきっちり告知受けてほぼその通りの通りの死期だったんで、自分でセレクションして行ったんだよね。