オレ等とてメシも食うし洗濯もするしそれぞれ趣味もある

また例によって、いいところ3ヶ月に1度来る程度の客が「せっかくメールを出してやったのに返事が遅い、きーっ!」とひなっているのにうんざりしているオレである。


だからさー、客に「この仕事って大変だよね、頑張ってね、いい年して俺はとても君の事が気に入ってるんだ。君はどうなのかな。こんなこと書いたら迷惑だよね」などとうだうだ書かれて、それも毎回毎回それで、どう急いで返信しろと言うんだ。大変なのは、お前等のような存在があるからだと気が付いてくれ。
暴力的な客や不潔な客はそりゃ厄介だが、あんなんは単発ダメージだからまだいい。お前等は継続的ダメージなのだよ。
しかもこういうのが、軽く2桁いるわけだよ。風俗業界に従事する女子なら皆当然、こういう困ったちゃんをこれくらいの数いや頑張る人はもっとすさまじい人数抱えて、面倒見させられてる訳だが。
ほとんど毎日こういうメールと、返信が来ないけどどういうことだっていうヒステリーのメールをオレは受け取ってる訳だよ。…風俗の「非モテのふきだまり」というダークサイドをよく反映してるよなぁ、こういうの。


この暇人どもが、と思っちゃ駄目?
どうしても思っちゃうよオレは。
店に来てくれりゃ「ありがとうございましたメール」は当然打つよ。いついつに来ると言われたら「ありがとう。待ってますねメール」も打ってるよ。趣味があって分かってる客にはそれ以外に「こんなんありました」とか時候のご挨拶メールくらい、打つよ。
それと何より仕事の正味、それ以外の何が君等に提供されるのを期待してるよ、客どもよ。
オレはケチだからそれくらいしか提供するもんがないんだよ。思わせぶりは売れるならもっと稼げるけど、男におっかけまわされる恐怖体験はもうオレいいだけしたから、金もらってもいらないんだよ。


こちらは仕事を離れたら、自分の生活と趣味と家族と自分自身のために使う時間だけでいっぱいいっぱいだって。
オレは店と店の仕事のためにだけ動いてるレプリカントじゃなくて、店で待機している時や家にある時は自分の労働力の再生産活動を行わねばならない、ただの働く三十代なんだがなぁ。
ああ、つまり、やっぱりこういうグダグダを言う客ってまともに生活してない暇人なんだよなぁ。そりゃー、話をしたところで必死で合わせてやらないとどうにもならない、つまんない連中であるはずだ。


自分がそういう中身カスカスのつまんない人間である、会話ひとつ成立させるのも相手に困難を強いているという自覚が、どうしてこいつらにはないのだろうか…。


あ、だから非モテ、なんだな。